釣りの単位

 

釣りの現場で良くこういう感想を聞く。

「ルアーフィッシングって、興味あるんですけどね~・・・」

「でも複雑そうで手におえません」

「道具を見ても何がなんだか良く分からないし、オンスとかポンドとか頭がぐちゃぐちゃになりますよ(汗)

 

過去に似た様な感想を幾度となく聞いた事か・・・。

僕にしたって日本の釣りの単位と外国の釣りの単位の換算が出来ているわけじゃあないし、ほとんど「感覚」に任せてやっている部分が多い。

 

しかしこんな話を始終聞くと、ルアーフィッシングに限らず、釣りを始めるに当たって、この「単位の換算」や「尺度」の複雑さが障害になっていることは間違いない。

 

「知らない」と言う事が障害になって、「馬鹿にされたくない」といったような意識が働き、その結果ルアーフィッシングを遠ざけている人年配釣り師も居ると聞くが、逆に若い世代には日本流の釣具の単位は奇奇怪怪でもある。

 

僕の少年時代は簡単だった。

 

まだ尺貫法が生活の中に普通に溶けて込んでいたし、フランスで提唱された世界基準の「メートル法」がぼつぼつと普及し始めた時代だった。

 

例えば靴の寸法も「何文」と言う呼び方をしていたし、「cm」で表示され始めたのはずっと後で、恐らく僕が高校生だった頃のような記憶がある。

 

僕の場合は「10文半」(25.5センチ)だったが(笑)

 

まして「釣り道具」などと言う物は長い間「メートル法」で表記されることなく「尺貫法」で表されていた。

 

竿は全て「半間」単位。

 

今の若者に解りやすく説明するならば、障子や襖一枚の横の長さが「半間」だし、縦の長さが「一間」と言うわけだ。

 

当時僕が使っていた延べ竿は、二間竿に始まり、半間毎の尺度で作ってあり、四間竿までで4本揃えていた。

 

オモリなどは「匁」(もんめ)と言う単位で作られていたし、すでにメートル法の世の中にあって、釣り業界だけは随分長く尺貫法に頼っていた気がする。

 

しかしその後「釣りの業界」ではだんだんと単位が混沌してくる。

 

特に不確かで理解不能であやふやなのが「号」と言う単位。

竿の強さは磯竿など、今でも「号」で表している。

オモリも「号」だし、糸も「号」だ。

強さも、重さも、太さも、同じ「号」なのだ。

 

あり得ない(笑)

 

僕の世代でも、「錘一号」が何グラムあるのか今でも釈然としない。(ただし今では「一匁」がどれくらいの重さか全くわからなくなったけど)

 

ましてや糸の号数が何を表しているのかと言うと、コレは太さの表示であるから日本の釣りと言うのが恐ろしくややこしくなってくるのだ。

 

さらに年配者が敬遠する、西欧のルアーFがココに絡んでくる。

特に難しいのがラインの強度表示だ。

 

「強度表示」なのだ。

 

ご同輩ならお解かりだろうが、かつての日本ではあり得ない「釣り糸の強さの表示」なのだ。

 

「ポンド」って書いてあるから「重さの単位?」と勘違いする人は決して少なくない。

オマケにローマ字表記で「10 lb」などと書いてあったら余計大変。LBって何?ってなもんだ。

 

見慣れない欧米の単位が小文字で書いてあるのだから判らないのが普通だろう。

 

しかもコレを正確に言うと「○○ポンドテスト」と言う、

「表示の重さまでの強力をテストで確認したラインですよ」

と言う事に気付かない方もまた多いのが事実だ。

 

僕も実際始めて目にしたときは、4ポンド?8ポンド?100メートル単位でその重さがあるって事か?

 

って言うとんでもない勘違いを一瞬した事がある(汗)

 

日本ではね、昔は「糸」も重さで売ってたのよ。

「絹糸、10匁くださいな」って。

だからオジサンは頭の中がごっちゃごちゃになるわな(笑)

 

■整理しようよ!

 

って言いたくなるな実際!

「国産メーカー」が「国内で売る」のなら、全てメートル法で表示してもらいたいものだ。

 

ラインも太さ表示は全て止めて強度表示にして欲しい。

で、「ポンドテスト」ではなくて、「キログラムテスト」にして欲しい。70センチの鱸がおおよそ何キロあるかは、釣り慣れた爺ちゃんなら見当はつくのだ。

 

「もうちょっと大きいのに切られたから、今度は5kgテストラインにしよう!」

 

って簡単にイメージ出来るではないの?

 

「10ポンドの魚」って言って、実際の重さを実感できる日本人なんてほとんど居ないはずだが・・・。

 

シンカーも、ジグヘッドも、ロッドの強度も、全て「キログラム」で表示して欲しいわ。

 

ロッドの場合は通常の角度で「○○キログラムまで抜き上げできます」って言う「キログラムテスト」の表示になればなんて判りやすいんだろう。

 

んで、キログラムテスト表示のラインと合わせて考えると、なんてセッティングが楽になることか。

 

ドラグチエッカーで「1キロ」にドラグをセッティングしても、ラインがポンド表示では感覚が掴みにくい。

 

コレ、誰か大御所が本気で提唱してくれないものかな・・・。

僕だってチャンスがあれば雑誌でわめきたいところだ(笑)

 

ちなみに

 

gが何オンスか

1オンスが何グラムか

1ポンドが何グラムか

 

を知りたい方はコチラ↓のサイトをどうぞ。

http://www.netz.co.jp/kenbun/kurasi/dentaku/omosa.html

 

ココで表にしても良いのだけど、現時点では自分で何度も換算して頭に叩き込んだ方が結果が出ますので、お手持ちのリグで換算してみて下さい。

 

でも、一号糸が何ポンドか?

一号オモリは何グラム?

って換算は無理ですよ!

 

アレは釣具独特の単位ですからね(笑)

 

ちなみにナイロンやフロロは1号=4ポンドってのが平均値になっています。

 

あてにゃあ、なりゃあしませんが(爆)

 

Written by leon