リール番手、ライントラブル(ブログ抜粋記事)

 

Written by leon

 

リール番手、ライントラブル。ブリーデンのメバルロッドプロデュースをして以来、全国からロッドやリールにまつわる様々なお便りをたくさん頂いている。

 

今回は「ロッド」「ライン」「リール」に関して、ある意味代表的なご質問を頂いたので、同じ悩みや疑問を持つ方のためにもと思い、ご本人に了解を頂いて質問の全文を公開し、私なりの意見をお返ししようと思う。

 

 

以下は届いたメールの全文

 

 

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突然のメッセージで申し訳ありません。毎日、Keepの更新を楽しみに拝見しております。私は和歌山市をメインフィールドにしているアングラーです。31歳でバス釣り暦20年ほどになります。昨年、メバリングの魅力にはまり、エギング、ジギングと手を伸ばしだし、釣り人生の半分以上を損していたことを痛感しました。

今回、レオン師匠にどうしても教えていただきたいことがあり、大変失礼ながらメッセージを送らせていただきました。

 

GRFシリーズすばらしいですね。私はまだ、新作は83DEEPしか持っていませんが、最近Keepのサイトからアジングにも目覚め、68ストレンジの購入や現在メインに使用しているTR74Mから74エレクトロにと考え中です(><)

 

ロッドに関しては、実際に使用している83DEEPに限りサイトに書かれていた内容は、私がなんとなく感じていたロッドの性能をそのまま表現されており関心しました。ロッドのもつ力を読者にわかるよう言葉で表現されるのは大変でしょうね。ブログの表現の正確性から友人に74エレクトロをすすめ友人は購入し、愛用しています。新作はデザイン、性能ともに申し分ないです。すばらしいロッドを出して頂き、本当にありがとうございます。メバリングを楽しむ領域がグッと拡大したと思います。

 

さて、前置きが長くなってしまってすみません。今回、私がどうしてもお聞きしたかった内容はリールに関してです。

私はメバリングを始めた当初、バスと違い、ソルトは汚れるしなんでもいいやとバイオマスター1000Sを購入、フロロ3ポンドを巻いていました。しかし、レオン師匠が言われているように、スプールの口径が小さい分、ライントラブルが耐えませんでした。そのため、ラインテンションを考慮して、シンカーを1.8gほどの重めにし、深場をメインで狙い、トラブルを回避していました。しかし、アジングではそういうわけにはいきません。

最近では、83DEEPを購入したこともあり、ツインパワーMg2500Sを購入、現在ではTR74Mにセットしてアジング(コブラ291g)に使用しているのですが、トラブルは軽減しました。しかし、一度の釣行で最低2度はライントラブルがあります。

 

74エレクトロを使用している友人は、カルディアキックス2004を使用していますが、皆無といっていいほどありません。TR74M74エレクトロではガイドシステムに違いが見られますが、そういったこともライントラブルに関係しているのでしょうか?友人は以前、カルディアキックスにバスロッドを使用していたため、ロッドのライントラブルに関しての評価はできません。私と友人が使用しているラインは同じです。

ダイワのセルテートフィネスカスタム2004、月下美人2004などとても魅力を感じますが、シマノマニアの私にとってはできればシマノで解決したいんです。わがままですが・・・。

 

メバリングやアジングを使用するのであれば、ダイワの逆テーパースプールの方がいいのでしょうか?レオン師匠は、ダイワ、シマノを使い分けておられますが、ブログで書かれているように重量によるタックルバランスがメインで使い分けておられるのですか?

 

あと、バイオマスター1000Sとツインパワー2500Sでは当然ハンドル1回転の糸巻き量が違いますが、そういった面でブリーデンのハンドルは2500番等を使用する場合、効果的なのでしょうか?今まで1000Sをメインで使用していた分、2500番でスローリトリーブをするには安定感がないような気がします。レオン師匠は実際どういう風にお考えですか?使って判断すればいいのですが、ブリーデンのハンドルはなにぶん値段もいいので(泣)

 

初めてに関わらず、色々な質問や長い文章で大変失礼しました。もし、お返事頂ければ幸いです。今後ともKEEP CASTINGを楽しみにしています。失礼いたします。川口 

 

 

 

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と言った内容。

 

ライントラブル回避方法、リールの種類や番手によるマッチング、ダブルハンドルの有用性、と言ったところだろうか・・・。

 

 

 

①ライントラブル

スピニングリールにフロロカーボンラインを使用した際のトラブルであろうかと思うのだが、コレはある意味宿命だろう。

 

張りが強く、スプールに馴染みにくい。ヨレ癖が付く。と言うのがフロロの欠点だ。

 

しかし、比重が高く水切れが良く伸張度が低い。ティップからリグまでが水中でほぼ一直線になってくれてアタリが取りやすい。と言うメリットがメバリングに大きなアドバンテージをもたらせてくれる。

 

 

 

このフロロのトラブルで一番多いのが「ピョン吉君」と言う現象だと思う。これはヨレたラインがワッカ状になったままスプールに巻かれてピョンと飛び出た状態を指す。

 

コレに気付かなかったり、軽いピョン吉状態のままキャストを繰り返すと、今度は「大量放出」と言う、重大なライントラブルに見舞われる。

 

こうなってしまう最大の原因は糸ヨレだが、もっと大きい要因は「テンションを掛けずにリールを巻き始める」だろう。

 

メバリングは軽いリグをキャストするので、ラインもスラックが出やすく、スラックを巻き取る時にテンションが無いまま巻いてしまう事になる。コレがトラブルの最大の原因になっている。

 

 

 

解決方法は三つある。

キャスト後のリーリング開始の際に、リグのテンションが掛かるまではリールの先でラインを片手でつまんでテンションを掛けながらスラック分を巻き取る。面倒だが毎回コレをやればまず大量放出に繋がらない。

 

次の方法は、巻取りを開始する前にロッドを大きく後方に引いて、ラインテンションを掛けてから巻取りを開始する。

 

私は普段後者の方法だけでほとんどトラブルは無い。風が強く、ラインスラックがたくさん出てロッドを寝かせたくらいでは間に合わない時のみ、前者の方法をとっている。

 

 

 

まずこの二つ。

 

 

 

もう一つの方法は「釣らないキャストをする」だ。

 

コレは「ラインメンテナンス」と考えてもらっても良い。一晩に2回ほどやればよいだろう。追い風になるような方向で広いところへフルキャストをし、ラインを手でつまんだままテンションを掛けっぱなしで最後まで巻き取ればよい。1gジグヘッド単体などで長時間釣りをすると、スプールに巻かれたラインがユルユルになっているので締めなおす訳だ。

 

5g~8g位のメタルジグを遠投して高速巻きしても同様の効果が得られる。スイベルの付いた専用の「縒り取りシンカー」も販売されている。

 

 

 

シマノ:ダイワなどのメーカー特性でトラブルが起きやすいと言う話を良く聞くが、両方使っている私は「大量放出」に関してはそれほどの差は余り感じない。「3ポンド以下の細糸使用の際に、リールのどかへラインが挟まった」と言うトラブルが若干シマノに多いと言う感じはあるが・・・。

 

トラブルのほとんどは、「リール」や「ロッド」ではなくて、アングラー側にあると考えた方が正解だろう。ラインの特性に合わせて「始末」を覚えないと、フロロラインやPEラインと上手く付き合っていくことは難しい・・・^^;

 

 

 

②リール番手

これはもう、それぞれのロッドバランスで推奨している番手を使っていただきたい。ほとんどのロッドは開発の際にトータルバランスを考えての相性の良いリール番手があるはずだし、テスター達も当然意識してテストを繰り返しているはずだ。

 

ちなみに私が手がけた3本のロッドは、エギングなどの使いまわしも考慮に入れてシマノなら2500番台にセッティングしてある。

 

質問にあるように、確かに1000番クラスと比較すると、ハンドル一回転によるラインの巻き取り量(ルアーの移動距離にも繋がる)は違ってくるが、これはメバリングの際にはあまり大きなデメリットがあるとは考えていない。

 

ジギングならともかく、ソロソロと巻く事の多いメバリングならいくらでもアングラー側の巻きスピードで調整が効くからだ。私なぞは巻かない事も多い。カーブフォールのみでアタリを取りに行ったり、ステイ状態からロッドワークでルアーを動かす事も多いし、デッドスローのただ巻き時でも「巻き取りスピードが難しい」と思ったことはないのだが・・・。

 

 

 

 

 

③ハンドル「ダブルorシングル?」

「手になじんでいる」という事があるから一概に勧められないが、私はどちらのハンドルでも違和感を感じないし、メバリングにどちらが向いているか?と問われればハッキリとダブルに軍配を上げたい。

 

重量配分が均等で回転ムラが無いからだ。上から下へ勝手に廻って落ちる事も無い。

 

これは、使い込んで少々くたびれてきたリールにダブルを着けて見ると良く解る。恐ろしく回転がスムーズになり、ワンランク上の回転性能を得たような錯覚を覚えるだろう。

 

 

 

ブリーデンのカスタムハンドルはどうか?

 

と言う質問だが、削り出しで重量がある程度あるから嫌う方も居るが、私はハッキリ言って惚れ込んだ。

 

鋼性の高さと重量が回転をよりスムースにしてくれ、今までに無かった、ハンドルでバイトを感じ取れる「リールの感度」が飛躍的に上がったからだ。

 

この性能は「巻き合わせ」の際に発揮される。

 

 

 

ただし、シーバッシングやショアジギングなどには向かない。

 

ショートハンドルだから、まず力が入りにくい。遠くのボトムでカサゴなどの根魚がヒットしても、リーで寄せるのはくたびれる。こう言うパワーゲームの時には私はシングルハンドルの30004000番を使っている。

 

 

 

 

 

以上だが、ライントラブル解決法はともかく、リールやハンドルについては「釣れない」と言う事に繋がるはずも無く、そう言った意味では「些細な問題」だ。この辺は快適性の問題であって、個人によっては様々な意見もあり、感覚も違う事を付け加えておきたい。

 

 

 

お役に立てれば幸いです。